100年を超えるの歴史
友人を待ちながら木切れを削っていた一人の男が待ちくたびれてそれを池に投げ入れた。するとその木切れにバスが飛び出した・・・1894年のことだったといいます。彼こそが、ヘドン社の創立者ジェームス・ヘドンです。
この時、水面を割ったバスの姿にすっかり魅了されてしまったジェームスは、自分と友人のためだけに木を削ってルアーを作り始めます。この時のルアーが史上初のバスルアー、という訳ではないのだが、トップウォータープラグの草分けである事は間違いない。
ジェームスのルアーはすっかり評判となり、彼はルアーメーカーの名乗りを上げることになる。初期のルアーはドアジャック(Dowagiac)いう名で一世を風靡する。ドアジャックとはヘドン社創業の地、アメリカ・ミシガン州の地名です。
みなさんはヘドンと言えば何を思う浮かべますか?
ある人はザラ、またある人はトーピード、クレイジークローラー等など。それほどトップウォーターでは有名なメーカーである事は周知の事実となっていますが、現在でも活躍しているルアーの原型が1920年から50年に出来あがっていた事を知る人は多くはないでしょう。
ラッキー13が初めてリリースされたのが1920年、ザラスプークの原型であるザラゴッサが1921年、ダブルスウィッシャーのトーピードが1925年、クレイジークローラーが1940年です。ザラスプークは1922年登場のザラゴッサミノーをデザイン変更し、ザラスプークと改名して1939年に登場しました。
現在、トップウォーター名品と言われる数々のルアーがヘドンから生まれていますが、そのアイデアがいかに優れていたかは今もなお現役で活躍していることに表れています。
材質こそウッドからプスチックに変ってはいますがアクションは当時のものを忠実に再現しています。いいものは変える必要がないという発想もさることながら、それだけ完成度の高いルアーを最初に作ってしまうヘドンというメーカーはどれだけすごいかお分かりいただけただろうか。
ヘドン社はその後、ルアーメーカーから総合釣具メーカーへ発展していきます。
現在ヘドンを取り扱うプラドコ社には1928年のヘドンのカタログが保存されているらしいのだが、これにもロッド・リール、シルクラインも掲載されているという。
このカタログがかなり立派な作りのようで、A4位のサイズで30ページほどだが、驚きはオールカラーの印刷ということ。釣具業界で最初にカラーカタログを作ったのはヘドンではないかといわれています。
ちなみに1915年頃にはすでにカラーカタログが出ていたものと思われています。ヘドンってやっぱりスゴイ!!